新 年 の ご 挨 拶
新年のお慶びを申し上げます。

本年が会員の皆様にとりまして、ご健康で、幸多い年でありますよう心より祈念申し上げます。

 一昨年の経済の急激な変化はほとんどすべての産業に大きな打撃を与え続けており、本年もまだ続くであろうと予想されております。社会基盤を支える素材、材料、ものつくり産業はこれまでの元の通りにはなかなか戻らないでしょう。今こそ技術革新をフルに産み出して取り組むことが緊急の課題となりましょう。

 材料工学会は、社会基盤材料学を学び、研究した若い人材を早稲田から社会へ送り出す教育組織の設置を願って、これまで全理事が一丸となって全力で活動を続けてきております。

 創造理工学研究科に平成20年度に開設していただきました、専攻を横断した専修コース「マクロ材料コース」は、運営委員長の山崎教授をはじめご担当の先生方のお力添えで順調に運営され、内容が充実されてきております。先生方に深く感謝申し上げます。 

 第3回の「金属系先端技術シンポジウム」を昨年10月3日に約140名の学生さんの参加を得て開催しました。材料を用いる側の2社の特別講演と材料・素形材製造企業20社の研究者、技術者に先端研究技術内容を話していただき、材料に関わっている学生さん並びに他専門の学生さんに材料・ものつくりへの興味を大いに湧かさせていただきました。さらに、当日の夕方の企業の先輩との懇談会および12月19日夕方に開催しました「企業と学生との交流イベント」を通して、材料の研究開発・ものつくりの意義、仕事のやりがいと研究のモチベーションを高めることができたと思います。平成22年度も第4回の「金属系先端技術シンポジウム」を10月初めに開催する予定です。
 昨年はまた、早稲田大学と(独)物質・材料研究機構との共催による「産官学 新材料シンポジウム(第1回)」を材料工学会が協賛という形で開催しました。「社会基盤材料学を構築し、持続可能な社会を発展させるため」と題して、白井総長をはじめ、学内外の産官学の第一人者の方々の講演とパネル討論を行いました。200名を超える出席者を得て、よくぞこれだけ大きなシンポジウムを開催できたと皆様に感謝いたしております(詳しくはホームページをご覧ください)。社会を支える技術は材料とそれの革新に支えられており、社会・産業への新たな展開と大学における材料教育のあり方や方向性について討論が行われ、材料系の教育・研究・製造の重要性を学内外にアピールしました。多くの皆様が関心を持たれており、学内教員、学生のみならず、48社に及ぶ企業、12の関連学協会、他大学、OBの方々の参加をいただきました。社会基盤材料学の構築に向けて皆様の期待の大きさをひしひしと感じました。今年も第2回の「新材料シンポジウム」を5月に開催することを計画しております。

 多くの会員の皆様が、新材料シンポジウムおよび金属系先端材料シンポジウムにご参加くださるようお願い申し上げます。
 学外の皆様の大きな声が、シンポジウムの盛会、ひいては材料系の教育・研究の場の構築のための大きな力になります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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平成22年1月12日

早稲田材料工学会 会長 神尾 彰彦